第59章 家族になろう(5)
~翔side~
「………」
「………」
ー…人の話声がする…この声…星児と輝の伯父の男と…店員の男…?ー
翔「…ん…」
俺はうっすらと眼を覚まして室内を見渡した
伯父「お、眼を覚ましたか」
翔「…ここは何処だ」
伯父「『barサルー』の奥部屋だ。店は閉めてるから誰も入っては来ないさ」
翔「誰も…?え!?」
その時、俺は自分が衣類を全く着ていない事に気がついた
翔「お、俺をこんな格好にしてどうする気だ!?」
伯父「あんたに星児の代わりに身体で稼いで貰うためさ」
星児の代わり…だと?
翔「あんた!あんな子供に働かせるつもりだったのか!?」
伯父「まぁそうだか、働くっていうのはちょっと違うな…身体を売るんだからな」
身体を売る…って…まさか…
翔「まさか…星児に売春を…」
俺の言葉に男はニヤリと笑った
翔「あんた…それでも血の繋がった伯父かよ!?」
伯父「だから、星児を諦めてあんたに稼いで貰うって言ったんだよ」
翔「ふざけるな!!誰がそんな話…!」
伯父「別にどっちでも良いんだぜ?ガキを好むオヤジもいるし、あんた綺麗な顔してるからな。良い稼ぎ口になるしな…ああ、そういえば、あんたの兄弟は皆美形揃いで有名なんだってな。そいつらの誰かでも良いんだぜ?」
翔「!?」
伯父「どうする?好きに選びな」
…駄目だ…皆を巻き込む事は出来ない…
翔「…大野の家族と星児と輝には手を出すな…」
その時男は、またニヤリと笑った
伯父「おい、オーナーを呼べ」
伯父が店員に話しかけて、店員の男は外に出た
暫くすると、別の男が入ってきた
伯父「オーナー、お待たせしました。どうです?この男は」
すると、オーナーと呼ばれた男は俺の前にしゃがみ、俺の顔を除きこんだ
オーナー「…良いな。この器量ならすぐに顧客がつくだろう…身体の方はどうだ?」
伯父「それは、是非オーナーが見定めて下さい」
翔「!!」
オーナー「…良いだろう」
翔「や!止めろ!!」
俺は近くにあったベットに無理矢理乗せられた