第56章 家族になろう(2)
和「私はまだ小さかったので覚えていないんですけど、聞いた話では『雅紀は大事な家族だ!施設に入れるなんて事あっていいハズがない!!』って言ってたそうです」
何か似てるな…考え方が父さんに…
和「そんなお父さんの影響ですかね。雅紀兄さんも凄かったんですけど…」
翔「雅紀が?」
和「ええ。捨て犬、捨て猫拾ってくる拾ってくる…で、お父さんも『自分でキチンと面倒を見るなら』って言ったもんですから、一時期我が家は犬猫だらけでしたよ」
翔「どれくらいいたんだ?」
和「最高で犬8匹、猫10匹ですね」
合計18匹!?
翔「どうしたんだ?その犬猫は」
和「里親を探しましたよ。で、時間はかかりましたが、何とか全ての子を里子に出しました」
そっか…でも、ある意味凄いな…
和「翔兄さん…雅紀兄さんの夢、ご存じですか?」
翔「雅紀の夢?」
そういえば、俺聞いたことないな…
和「捨て犬や捨て猫を保護して、里親を見つけてあげたいそうです」
翔「え?それって、動物保護センターに勤務したいって事?」
和「まぁ、そうですね。やりたい事は保護センターと同じなんですけど、雅紀兄さんは自分でやりたいみたいですよ」
翔「それって、自分で経営してって事?」
和「どうなんですかね。雅紀兄さんに経営とか無理だとは思いますがね。ただ、単純に犬猫の命を守りたいってだけだと思いますよ」
…雅紀らしいな…
和「…惚れ直しました?」
翔「ばっ!な、何言ってんだよ!?」
和「シー!子供たちが起きますよ…」
翔「あっ!」
俺は慌てて口を押さえた…大丈夫…かな?
和「今日は私潤くんの部屋に行きますので、どうぞごゆっくり」
…こいつ、もしかして自分が潤の部屋に行きたいが為に、俺を雅紀の所に行くように仕向けてないか…?