• テキストサイズ

ひとつ屋根の下【気象系BL】

第55章 家族になろう(1)


あの後俺は、店に帰って潤に買って来た物を渡し、さっきの子供を探すため飛び出した

ー今の子が万引きしていた商品…あれ、全て惣菜だった…ー

どうしても気になった俺は、逃げたと思われる方向をくまなく探した

暫く探していると、橋の下の土手に子供の姿が見えた

急いで近付くと、さっきの子供の他にもう一人小さな子供がいた

「輝(ひかる)お腹空いただろ?ご飯だぞ」

輝「にぃ…ちゃん…」

翔「…君達…」

「あっ!」

さっきの子供は俺に気が付くと、近くにあった小石や空き缶を投げつけてきた

「あっち行け!!このご飯は輝が食べるんだ!!」

翔「バカっ!違うよ!そのオカズの代金は支払ったから取りはしないよ!!イテっ!」

「え?」

その言葉に、子供は物を投げるのを止めた

翔「ふぅー…だから、そのオカズはお前達の物だから大丈夫だよ…君達名前は?」

「…俺は星児(せいじ)、こっちは弟の輝…」

翔「星児に輝か…良い名前だな…俺は翔って言うんだ」

星「翔…兄ちゃん?…格好いい名前だね…」

翔「ありがとな…なぁ、こんな所で何してるんだ?家は?」

星「…輝と出てきた…」

出てきた…って…

翔「お前ら…もしかして家出?」

すると星児は首を縦に振った

翔「お前何で…」

そう問いかけた時、ふと輝と呼んでいた子供を見るとぐったりとしていた

翔「おい、この子様子がおかしいぞ」

星「え?」

輝の額に手をあてると熱かった

翔「…酷い熱だ…直ぐに医者に見せないと!」

星「え!?」

翔「行くぞ!着いてこい!!」

星「う、うん!」

俺は輝を抱えて星児と一緒に病院に向かった

/ 718ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp