第50章 この命に代えても…(4)
電車で病院に到着した俺達は(車は何かと危険だという事で)そのまま翔兄さんの病室に直行した
<コンコン>
ノックをして病室に入ると、翔兄さんは寝ているようだった
潤「翔兄さん、寝てるのか…」
雅「…翔ちゃん…苦しそうだな…」
…確かに、翔兄さんの呼吸は浅くて早かった
俺は翔兄さんの額に手を当ててみた
潤「少し熱がある…だからかな…」
翔「…ん…」
そうしていたら、翔兄さんが眼を覚ました
潤「あ、ごめん…起こしちゃった」
翔「雅紀…潤…来てたのか…」
潤「うん、今さっきね。翔兄さん怪我の具合どう?」
翔「大丈夫だよ…それより、二人とも出て来て大丈夫なのか…?」
潤「俺達は大丈夫。警察の人が護衛してくれてるから。それより翔兄さん、キツいんじゃない?熱があるみたいだし…」
翔「大したことないよ」
もう…翔兄さんすぐ我慢するの、昔から全然変わらないんだから…
潤「翔兄さん、キツい時はちゃんと言わないと。治るものも治らないよ」
翔「大丈夫、ちゃんと言うから。それに早く治さないと、雅紀との約束果たせないし」
雅「あ…」
雅紀兄さんとの約束?
翔「この間、今回の事が片付いたら皆でピクニックに行こうって約束したんだよ」
潤「へぇー」
ピクニックか…まだ松本の父さんと母さんが生きていた時に行ったきりだな…
潤「楽しそうだね。わかった!俺張り切ってお弁当作るよ」
雅「・・・」