第50章 この命に代えても…(4)
翔「…?雅紀…どうしたんだ?」
雅「え?」
翔「何かお前…さっきからずっとぼんやりしてるから…どこか体調が悪いのか?」
雅「あ!だ、大丈夫だよ!ちょっと神経使いすぎて疲れただけだから…」
翔「ばか!…ぁ痛っ…」
翔兄さんは突然声を荒げて身体を無理に動かした事で、傷に響いたみたいだった
潤「翔兄さん!?」
雅「翔ちゃん大丈夫!?」
翔「こんな状態の時に出歩くから神経を使うんだよ!俺は大丈夫だから家に帰ってろ!」
雅「翔ちゃん…」
翔兄さんの言葉に、何故か雅紀兄さんは悲しそうな顔をしていた…
翔「あ…ごめん…俺言い過ぎたか…?」
雅「ううん、違うよ!翔ちゃん自分の事より俺の事気にかけてくれて嬉しかったんだ」
翔「雅紀…」
雅「ごめん…俺ちょっとトイレに行ってくる」
雅紀兄さんはそう言って部屋から出ていった
翔「…潤」
潤「何?」
翔「雅紀…ずっとああなのか?」
潤「あ、うん…何言っても上の空で…最初の頃は翔兄さんが心配だからだと思っていたんだけど、この頃はちょっと違うみたいで…智兄さんと和も気にしてる…」
翔「そういえば今日智くんと和也は?」
潤「家にいる。あまり大人数で動くと警護が回らないから…」
翔「それもそうだな…」
そんな話をしている矢先に廊下からバタバタと走る音が聞こえてきた