第50章 この命に代えても…(4)
~潤side~
事件後、いまだに進展がなく数日が経過していた
あの日以来雅紀兄さんには警護が付き、俺達も極力一人での行動はしないよう言われていた
雅「潤…ごめんな…」
潤「ん?何が?」
翔兄さんの見舞いに行く途中、突然雅紀兄さんが謝罪してきた
雅「俺のせいで店営業出来なくて…折角潤の怪我も治ってやっと再開できたのに…」
潤「大丈夫だよ。一生営業出来ない訳じゃないんだから、そんなに気にしないで」
雅「ん…ありがとう…」
…あれ以来、雅紀兄さん元気ないな…時々考え込むような時もあるし、何か気になるな…
雅「そういえば潤…あの時はありがとう」
潤「え?あの時って?」
雅「翔ちゃんが手術中の時、俺の事抱き締めててくれただろ?あの時、すごい落ち着いたんだ」
ああ…あの時の事か…
潤「それは良かった。実はあれ、俺もよく翔兄さんにやってもらってたんだ」
雅「え?翔ちゃんに?」
潤「うん。同じような事があった時、俺が雅紀兄さんにやったのと同じ事をしてくれたんだ。そうすると、翔兄さんの体温と心臓の音が聞こえて落ち着くんだ」
雅「そういえば、潤が事故で手術してる時に翔ちゃん和に同じ事してたな…『大丈夫、大丈夫だから』って言いながら…」
潤「うん、和も言ってた。あれで凄く落ち着いたって…」
翔兄さんがやってた事をそのままやっただけだったんだけど、雅紀兄さんの為になったのは良かった…