第47章 この命に代えても…(1)
雅「へぇー…こっちの方は初めて来たけど、かなり寂しい感じだな…」
今までの散歩コースも閑静な場所だったけど、少し離れるとそこは錆びれた商店街や、廃墟のような建物が所々並んでいた
そんな中…
雅「ん?こんな所に何であんな車が…?」
明らかに廃墟となっている工場跡地に、黒の外国車が3台止まっていた
ーテレビドラマとかだと、こんな時は、怪しい取り引きなんかをしてるんだよな…ー
俺は軽い気持ちでそこに近づくと、男が数人お互いにスーツケースを持って、中を確認しているようだった
ーえ!?ほ、本当にヤバい取り引き!?ー
驚いた俺は『とりあえずこの場所を離れないと…』と思い動き出した時、足下にあった鉄パイプに気づかずに蹴ってしまい、大きな音を出してしまった
ーしまった!!ー
当然中にいた男達も気づき、こっちに近づいてきた
ー…あれぐらいの人数ならなんとかなるかな…ー
俺は迎え撃つつもりで構えていたけど…その時
大「ワン!」
ーあ、大地!?ー
突然大地が反対方向に走って逃げていった…すると
男「何だ、犬か…」
男達は俺に気づかずに戻っていき、お互いに握手を交わすと車に乗り込み出ていった
雅「…はぁー…助かったー…」
俺もその場を離れ、もと来た道を戻るとそこには大地が俺の事を待っていた
雅「大地ーーーー!助かったよーありがとな!!」
大「ワン!」
大地は俺の顔をなめ回した
雅「よし、じゃあ帰ろうな」
俺は大地を連れて帰った
…その時、監視する眼があった事に俺は気づかなかった…