第45章 和也の気持ち(7)
和「大丈夫ですか?潤くん。怪我は?」
潤「大丈夫だよ。心配かけてごめんな」
良かった…潤くんが無事で…
潤「でも、収穫はあったよ。ほら奥…」
和「え?…あ!?」
潤くんに言われ奥をみると、明らかに事故車と解るフェラーリがあった
和「やっぱりあったんですね」
潤「ああ、これで証拠は…和!!」
突然潤くんが俺を庇うように抱き込んだと思ったら、潤くんが倒れ込んできて、見ると頭から血を流し意識がなかった
和「潤…くん…潤くん!!」
透「…まさか、もう一人消さなきゃいけないヤツがいるとはな…」
見上げると、三枝透が血のついた鉄パイプを持って立っていた
和「…やっぱりあんたがひき逃げ犯か…」
透「ああ、そうだよ。折角親父に頼んで身代わりをたてたのに、蒸し返すような事しやがって…お陰で始末しなきゃならない事が増えちまった」
そう言って三枝透は持っていた鉄パイプを高く振り上げた
俺は潤くんを庇うように抱き締めた
駄目だ…そう思った時
透「!?お、お前は!」
その声に顔をあげると、雅紀兄さんが三枝透の腕を押さえていた
そのまま雅紀兄さんは鉄パイプを落とし、顔面を一発殴った
透「うぐっ!」
翔「和也!潤!!」
和「兄さん!」
透「兄さん…だと?お前ら最初からグルか?」
智「ああ、そうだよ。俺達は警察が手を引いたひき逃げ犯を追ってたんだ。俺らの大事な家族を傷付けた悪質な犯人をな」
透「何が目的だ!金か!?いくら出せば良い!?」
…コイツ…!!
智「金なんか要らねーよ」
透「じゃあ何が欲しい!?親父に頼べば何でも出来る!!だから見逃してくれ!!」
…どこまで性根が腐ってるんだコイツは…