第45章 和也の気持ち(7)
車庫の方に行くと、職員の人達が潤くんを探していた
男使用人①「あれ、和ちゃん…?どうしたの、こんな所で」
和「あ、あの…松本さんが行方不明だと聞いたので…何か解ったんですか?」
男使用人①「いや、まだなんだ」
そんな話をしている後ろで、他の職員が
男使用人②「うわー…やっぱり和ちゃんも新人狙いか…」
男使用人③「まだサトちゃんが残ってる!」
なんて会話が聞こえてきた…智兄さんは余計無理だろ
その時俺は、車庫が気になっていた
和「あの…車庫の方は探したんですか?」
男使用人①「ああ、探したけど何もなかったよ」
和「そう…ですか…」
男使用人①「後は俺達が探すから、和ちゃんは戻ってて良いよ」
和「はい…」
男使用人②「おい、今度は向こうも探してみよう!」
男の人達は皆別の場所に行ってしまった
何もなかったと言っていたけど、どうしても諦めきれない俺は、開いたままになっていた車庫に入っていった
ーどうしよう…雅紀兄さん達を呼んだほうが良いかな…ー
悩んだけど、一刻も早く潤くんの無事を確認したかった俺は、意を決して入った
中に入り見渡すと、奥にある用具置き場から掃除用具が出されていた
和「…洗車用に出したのかな…?って事はこの近くに何か…」
壁を見ると、不自然に飾られた掛け軸が目についた
和「…この掛け軸…不自然だな…」
普通掛け軸をこんな暗い車庫に、しかも壁の左端の下側なんて所に掛けないだろ
違和感を感じた俺は、掛け軸をめくってみた。すると、小さな隙間があった
和「何だろう…この隙間」
その部分に触れると、ドアノブのような物が出てきた
和「!もしかして」
ドアノブに手をかけてスライドすると中には
和「潤くん!」
潤「和」
潤くんがいた