第44章 和也の気持ち(6)
チーフ「相葉くん、松本くん、櫻井くんね。宜しくお願いします」
…おかしいな…確か以前、翔兄さんのお父さんと潤くんのお母さん、どちらも姓は『松本』だと言っていたような…
俺は気になって智兄さんに小声で
和「智兄さん…」
智「ん?」
和「さっき翔兄さんが言ってた『櫻井』って名字、ご存じですか?」
智「いや…俺も初めて聞いたけど…きっと同じ松本だと怪しまれるから、友達か何かの名字を借りたんじゃないのか?」
和「…ですかね…?」
別に松本姓は珍しくないから、同じでも怪しまれないと思うけどな…
もしかして…前に見せてもらった、潤くんと翔兄さんのアルバムを見た時に感じた違和感に関係あるのかな…
チーフ「…?二宮さん、どうかしましたか?」
和「え?あ、すみません。何でもありません」
チーフ「では、行きますよ」
とりあえず、この問題は調査が終わってから考えよう
俺達はチーフと海崎さんに連れられて当主の三枝勝彦に会いに行った
<コンコン>
勝「入れ」
海崎「失礼致します。旦那様、本日より配属されました新人を連れてまいりました」
勝「ほぅ…今回の新人は美男美女ぞろいだな」
海「こちらから相葉、櫻井、松本、二宮、大野です」
翔「宜しくお願い致します」
翔兄さんが会釈して、俺達も続いて会釈した
勝「んー…よし、来月ある市長選の演説に同行させよう。きっと人目につくぞ」
…人気取りくらい自分でしろよ
海「では、失礼致します」
海崎さんに続いて部屋を後にした
勝「では、今日の所は仕事の流れを見てもらって、明日からそれぞれの職務についてもらうから」
翔「はい」
俺達はそれぞれの配属場所に散っていった