第43章 和也の気持ち(5)
結局、翔兄さんの意見が採用され、一緒と思われないようにする為に、潤くんと雅紀兄さんが一緒に使用人募集をして、俺達は三人で募集した
和「…やっぱり納得できません」
智「何が?」
和「何故翔兄さんは、あえて潤くんと雅紀兄さんに危険な事を頼んだのかがです。雅紀兄さんは武術に長(た)けているから良いですけど、潤くんは剣術に長けているだけですよ?剣道の道具なんて持って歩いたら、それこそ怪しまれますよ」
俺は納得出来なかった思いを智兄さんにぶつけた
智「だから雅紀と一緒に行動させようとしてるんだろ?」
和「でも潤くんは記憶がないんですよ?向こうはそんな事知らないし、潤くんも解らないから犯人が接触してきたら…」
智「それだけ翔くんは、潤の事信頼してるんだろ」
和「…そうかも…しれませんが…」
この時俺は、智兄さんの言葉に何も言えなかった
潤くんと翔兄さんは長年二人で過ごしてたから、俺では解らない信頼関係があると言う事を、思い知らされた感だった…
そんな時
潤「和…ありがとう」
和「え!?潤くん、いたんですか!?」
後ろから突然声がして、振り向くと潤くんが立っていた
潤「心配してくれてありがとうな。でも、俺は大丈夫だから」
和「でも…」
潤「俺…嬉しいんだ」
和「え?」
嬉しい?何で?
潤「記憶をなくしてから、ずっと皆腫れ物をさわるような感じで俺に接してくるから、申し訳ない気持ちでいっぱいだったんだ。だから今回の事、俺を必要としてくれたって事が嬉しかったんだ」
和「潤くん…」
潤「…それに…」
潤くんが顔を赤くして見つめてきた
潤「和の側にいたかったから…良かったよ…」
そう言って潤くんは走って部屋に駆け込んだ
和「…え?潤…くん…」
智「そういう事だろ」
・・・?そういう事…って?