第41章 和也の気持ち(3)
翔「お前何言ってんだ?この間も言ったけど…」
和「犯人に狙われる危険性でしょ?大丈夫ですよ。智兄さんと一緒にいれば無闇に襲って来ないでしょうし、この地区は北側の方が賑わってるから、人目もあるし安全です。それに…」
俺は翔兄さんを手招きして呼び寄せ小声で
和「…首もと…ついてますよ。昨晩も雅紀兄さんとしたんでしょ?身体キツいでしょう…雅紀兄さんがいた方がこっちも安心です」
そう言うと翔兄さんは顔を真っ赤にして
翔「え!?え!?あ…あの…これは…その…」
和「私は大丈夫ですから。智兄さん、行きましょうか」
智「ああ、解った。雅紀、翔くん。何かあったら連絡してくれ」
雅「りょーかい!…翔ちゃん?」
見ると翔兄さんが雅紀兄さんに耳打ちしていた
あのキスマークを見ても、あんな風に絡んでる二人を見ても、あまり気にならなくなってきた自分に驚いた…
智「…何かあったのか?和也」
和「?何故ですか?」
智「いや…なんかすごい穏やかな顔してるからさ、何か良いことあったのかな…と」
…穏やかな顔…?ああ…そうか…
和「いえ…仲むつまじいなって思っただけです」
智「そっか…」
そう…俺はいつのまにか、雅紀兄さんの事を『兄さん』と思えるようになってたんだ…
和「…これも潤くんのおかげかな…」
智「何か言ったか?」
和「いえ、何でもありません」
今まで潤くんに甘えてばかりだったから、今度は俺が潤くんを支えるんだ
改めて俺はそう思った