第41章 和也の気持ち(3)
~潤side~
皆が出掛けて数時間、俺はあちこち掃除したり洗濯したりしてたけど、全てやり終えたから暇をもて余していた
潤「夕飯の下準備も終わったし…どうしようかな…」
記憶がなくなる前は喫茶店をやっていて、毎日慌ただしい生活をしていたって聞いたからかな…?何もしていない今、一日がスゴい長く感じる…
そんな時ふと、机に目をやるとアルバムが眼に入った
潤「…何回見てもやっぱり何も思い出せないな…」
聞いた話では、俺と翔兄さんは異母兄弟で異父兄弟の智兄さんが訪ねてくるまで、翔兄さんと二人で過ごしてたって言ってたな…
潤「雅紀兄さんが何回も『翔ちゃん可愛い!』って言ってたけど、ほんとだな」
アルバムの中には、子供の頃の俺と翔兄さんの写真がところ狭しと並んでいた
ページをめくっていくと、成長記録みたいにだんだん大きくなっていく俺達がいた
潤「…何でだろう…翔兄さんの写真を見てるとスゴくドキドキする…」
…この気持ち何なんだろう…
和「…それって…恋みたい…ですね…」
潤「え!?」
いきなり声を掛けられて振り向くと、そこには和が立っていた
潤「和…いつのまに帰って…」
和「…そういえば潤くんは、翔兄さんの事が好きだったんですよね…記憶はなくても気持ちは…忘れてないんですね…」
そう言う和の顔を見ると、涙を流していた
潤「和…何で泣いて…」
和「…ちょっと風にあたってきます」
潤「え!?か、和!!」
和はそのまま飛び出して行った