第40章 和也の気持ち(2)
~翔side~
翔「もう…雅紀機嫌直せよ…」
雅「だってあの依頼者、絶対翔ちゃん狙いで依頼してきたんだよ!」
今日、俺と雅紀は依頼で出掛けていた
本当は俺一人の依頼だったんだけど、何故か雅紀も一緒に来ていた
翔「雅紀の気のせいだって。大体依頼内容は『家庭教師』だぞ?お前、高校の英語なんてわかるのか?」
雅「うっ…そ、それは無理だけど、でも父親は関係ないじゃん!」
翔「まぁ…それはそうだけど…」
そう…雅紀の機嫌が悪いのは勉強中に父親が様子を見に来て、俺の事をベタベタと触ってきた事だった
それを目撃した雅紀が怒って、俺を連れだしてしまった
まぁ…俺も訳もわからず触られて、ちょっと気持ち悪かったけどな…
そんな話をしている最中、個人用の携帯が鳴った。ディスプレイを見ると和也からだった
翔「もしもし和也?ああ…仕事は今終わって帰ってるところだけど…え?店にか?うん…解った」
雅「和也何て?」
翔「ん?よく解らないけど、帰ったら店の方に来てって」
今日は潤が退院してるはずだから、その関係かな?
そう思いながら店に着いて中に入ると、和也がエプロンを着けて立っていた
和「あ、翔兄さん、雅紀兄さんお帰りなさい」
翔「ただいま…どうしたんだ?急に」
和「まぁいいから、座って下さい」
訳もわからず和也に誘導されて座ると
潤「あ、お帰りなさい」
潤が奥の厨房から出てきた
翔「潤!?お前何してんだよ!退院したばかりで」
潤「ごめんなさい…何故かどうしても作りたくて」
翔「何を…」
そう言って出されたのは…
翔「オムライス…な…んで…」
潤「…何故かは解らないけど、どうしても翔兄さんに食べてもらいたかったんだ…」
俺は潤に色々話はしたけど、オムライスの話はしていなかった…記憶はなくても心が覚えてたんだ…
潤「え!?ご、ごめんなさい!オムライス嫌だった!?」
翔「…違うよ…潤…ありがとう…」
俺は溢れる涙をおさえられなかった…