第37章 雅紀の恋人?(4)
美「雅紀さん…どうして…?」
雅「…思い出した…」
翔「え?」
雅「確かに以前、会ってるよね?あの時と感じが変わってたから解らなかった…」
その時、彼女はナイフから手を離した
翔「雅紀、手を離せ!」
俺は雅紀からナイフを受けとり、手を見るとかなりひどい状態だった
翔「とりあえず止血するから」
雅「うん…でもその前に俺、思い出したんだ。何年前だったかな?街中で偶然彼女に会ったんだ」
美「覚えてて…くれたの?」
彼女は雅紀が思い出した事が嬉しかったようだった
雅「でも、申し訳ないけどあれで思い出すのは厳しいよ!今とかなり雰囲気が違うもん!」
すると美咲さんは、顔を赤くしてうつ向いた
美「…あの当時の私は、お父様が厳しくて反抗してました。よく、明け方まで遊び歩いてて…そんな中前々からいがみ合っていた人に絡まれて…私もカッとなって、お恥ずかしい話その人と殴りあいをしてしまって…」
雅「ビルの間から揉めてる声がしたから覗いたら、一人に対して男女五人だからね。しかも女の子一人に」
俺は雅紀の手を止血しながら話を聞いていた…ひどい話だな…
美「あの時、雅紀さんが助けてくれて言ってくれましたよね?『一人でよく頑張ったね。でも、女の子があまり喧嘩はしない方が良いよ』って…私、その時からずっと雅紀さんの事想ってました…雅紀さんの事も調べて大野グループの方だと知って、釣り合う女性になろうとお父様に従ってきました…なのに…」
美咲さんは眼に涙を滲ませて俺を睨んできた
美「なのに…何故この人なの!?突然出て来て雅紀さんを…許せない!!」
雅「…美咲さん…俺そんなに凄い人間じゃないよ?」
雅紀は美咲さんに優しく話しかけた