第37章 雅紀の恋人?(4)
~翔side~
『彼女の両親に会って交際出来ない事伝えてきた。俺には他に好きな人がいますって…』
数日前、雅紀から二階堂家に行ってはっきり伝えたと聞いた
あれ以来彼女から何の音沙汰もないけど、納得してくれたのかな…?
翔「…可哀想だけど、仕方ないよな…」
彼女が雅紀の事が好きなのは解っているけど、俺だって雅紀への気持ちは負けてない…譲るつもりなんてないからな…
俺は一人事務所にこもり、書類整理に追われていた
そこに…
<コンコン>
翔「はい」
…あれ?今ノックしたよね?
ドアをノックした音はしたのに、誰も入ってくる気配がなかった
不審に思いドアに近づき開けると、そこには美咲さんが立っていた
翔「え?美咲さ…」
彼女に声を掛けようと近づいたその時、左腕に痛みがはしった
翔「うわっ!!」
すると俺の左腕からは血が流れ、彼女の手には血のついたナイフが握られていた
翔「美…咲さ…」
美「…あんたのせいよ…」
翔「え?」
美「あんたが余計な事に気づかなければ、雅紀さんはあたしと付き合ってくれてたのに!!」
そう叫びながら美咲さんは、持っていたナイフを振り回した
翔「み、美咲さん!落ち着いて…!」
美「…殺してやる…あんたがいなければ、雅紀さんはあたしのものになるんだから!」
!美咲さん、もしかして俺と雅紀の関係を知ってるのか!?
壁際まで追い詰められた時、美咲さんはナイフを俺に向けて突き刺そうとした
刺される!!…そう思ったその時…目の前を黒い影が横切った
翔「…え?」
雅「…痛っ…翔ちゃん…大丈夫?」
翔「ま、雅紀!!」
雅紀が俺と美咲さんの間に割って入っていた
雅紀の手元を見ると、彼女が持っていたナイフの刃の部分を両手で握っていた為、雅紀の手からは血が流れていた