第36章 雅紀の恋人?(3)
雅「一体どういう事?」
俺は出来るだけ穏やかに話しかけた
美「…ごめんなさい…どうしても雅紀さんとお付き合いしたくて…」
とうとう彼女は泣き出してしまった
美「元彼に付きまとわれていたのは本当です…その時は友達に相談して、別の男性に代役を頼みました」
雅「もしかして、その時上手くいったから、同じ手を使おうと思って今回依頼してきたの?」
俺の問いかけに、彼女は首を縦にふった
美「上手くいけばお見合いをお断り出来るし、雅紀さんとお付き合いできるかもと…」
翔「勝手な事言ってんじゃねーよ!!」
うわっ!翔ちゃんまたキレた!!
翔「そんな事して雅紀手にいれて嬉しいかよ!相手の気持ちも考えずに自分勝手な事言うな!」
すると横にいた智兄が翔ちゃんの背中を叩いて
智「翔くん、気持ちは解るけど落ち着けって…」
翔「…ごめん…俺、外に出てる…」
そう言って翔ちゃんは事務所を出ていった…
智「すみません…怖がらせてしまって…大丈夫ですか?」
美「…はい…」
智「わざわざお越しいただいてすみませんが、今日の所はお引き取り下さい…今後の事はまた後日、改めてお話しましょう」
美「はい…すみませんでした」
そう言って彼女も事務所を後にした
雅「はぁー…智兄、落ち着いてるな…助かった…」
智「別に落ち着いてる訳じゃないけど、隣でキレられると逆にこっちがな」
まぁ、そうだよな
雅「でも翔ちゃん、大丈夫かな?たて続けでキレるとは思わなかった」
智「…お前、気づいてないのか?」
…何が?
智「だって、今まで翔くんがキレたのって全部お前柄みだろ?」
…え?そう言われれば…
智「翔くん、お前の事が大事すぎて理不尽な事があるとカッとなるんだろうな…お前も大事にしてやれよ」
そう言って智兄は俺の肩をポンポンと叩いた
雅「…うん…」
改めて俺は翔ちゃんの事全力で守ると決めた