第36章 雅紀の恋人?(3)
~雅紀side~
あの電話の翌日、美咲さんが事務所にやって来た
翔「…どういう事かご説明していただけますか?」
…何か翔ちゃん怖い…
美「…すみません…父があの後大導寺さんにお電話して、お見合いをお断りしたんです。でもその後『交際を認めるから、今度彼を家に連れてきなさい』と…」
翔「付き合ってる人がいる事が前提でお見合いを破談しようとしたのなら、その後こうなる事は想定出来たと思いますが…?」
美「それは…」
翔「…あなた…解ってて依頼してきたんですね?」
美咲さんは涙目になってうつ向いてしまった…
美「でも!父が交際を認めた要因は、あなたが雅紀さんが大野グループの人だと言ったから…!」
翔「俺が言わなくても、君は自分で言っただろ?」
美「!!」
え!?それって…
翔「知ってたんだろ?雅紀が大野グループの会長の孫だって事…あの時、君のご両親はかなり驚いていたけど、君はあまり驚いているように見えなかった」
美「そ、それは…私も驚いて声が出なくて…」
翔「それから、前回の依頼から半年以上たってからの再依頼にも引っ掛かってたんだ」
智「それって?」
翔「今回は見合い話が入ってきたから、ちょうど良かったんだろうけど、じゃあ前回はどうだったのかって事だよ。同じ見合い話ならその時と同じ事すれば良いのに」
そう言われれば確かにそうだけど…
美「あの…前回はお見合いではなくて…しつこく付きまとってくる元彼に諦めてもらうために…」
翔「元彼?異性と付き合った事がないって言ってなかった?」
美「!!」
翔「やっぱりそこから嘘だったのか…」
え?何故そんな嘘をついてまで…