第35章 雅紀の恋人?(2)
ホテルの最上階に着くとそこは、高級レストランになっていて、美咲さんはその奥にある個室のドアをノックした
因みに、こっちの状況が解るように俺のネクタイの裏には盗聴器がついている
美「美咲です」
すると、中から男が出てきた
「美咲さん!待ってましたよ!さぁ、中へどうぞ」
もしかして、こいつが見合い相手の『大導寺佳祐(けいすけ)』か?
事前に調べたら、この男かなり女性関係にだらしがなく、何度も問題を起こしてるって聞いたけど…
佳「ん?何だお前は…」
美咲父「どうしたんだい?佳祐くん…美咲、誰だそっちの彼は」
美「お父様、紹介します。先日お話した、今お付き合いしている方です」
雅「…はじめまして…大野雅紀と申します」
美咲父「な、何だと!?」
佳祐父「二階堂さん!どういう事ですか!?」
どっちの両親も大騒動しだしたな…まぁ、当然だろうな
美咲父「美咲!どういうつもりだ!?こんな何処の馬の骨とも解らん男を連れて来おって!!」
佳「お父さん、大丈夫ですよ。恋人の一人や二人…僕が振り向かせてみせますよ」
うわー…歯が浮くようなセリフ…
そこへ、何やらエレベーター側が騒がしくなってきた
「ちょっと佳祐!あんたどういうつもり!?」
いきなり女性が乱入してきた…ん…?
佳「…君…誰?」
あれ?よく見ると…か…和!?
和「あたしという女がいながら、お見合いですって!?このお腹の子供はどうするのよ!!」
美咲父「子供だと!?」
佳祐父「け、佳祐どういう事だ!?」
佳「し、知りません!大体こんな女見たことも…!」
和「ひどいっ!今まで尽くしたあたしを捨てるのね!!あーーーっ!」
そう叫びながら和はレストランの中へ走っていった
佳「ま、待て!そっちに行くな!!」
慌てて見合い相手は和を追いかけて行ったけど…さすが舞台俳優…迫真の演技だったな…