第34章 雅紀の恋人?(1)
美「あの…お願いします。そのお見合いが三日後にあるんです。その時、雅紀さんと一緒に行きたいんです」
翔「・・・」
智「何で見合いがそんなに嫌なんだ?」
そういえば…
美「…実は、お見合い相手は父の会社の取引先の息子さんで…父はその会社と婚姻関係を結びたいんです…相手の方も…その…申し上げにくいのですが、あまり良い噂を聞かない方で…相手のご両親も家庭をもつ事で落ち着くのではないかとのお考えがあるようで…それで…」
なんだ?それ…所謂政略結婚じゃないか?
美「お願いします。このままいくと私、本当にあの方と結婚させられてしまいます…」
そう言って彼女は泣き出してしまった…
智「翔くん…」
わかってる。智くんの言いたい事は…
俺が彼女と同じ立場だったら、何としてでも回避したくなるから…でも…やっぱり…
翔「…すみません…本人の意志を…」
智「解りました。今回のご依頼お受けします」
翔「智くん!?」
美「ほ、本当ですか!?」
智くんが突然依頼を受けた
彼女は当然の事ながら喜んでいた
智「ただし、ご依頼はそのお見合いを破談させる事…それで宜しいですか?」
美「はい!ありがとうございます」
そして彼女は帰って行った
翔「智くん…どうして?」
智「翔くんの気持ちも解るよ。でも彼女の気持ちも考えれば、断る事なんて出来ない…よね?」
…智くんの言ってる事は正しい…
頭の中では解っているけど、気持ちの整理は出来なかった…