第32章 偽装親子（５）

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この重苦しい空気をかき消す様に事務所の電話が鳴った

翔「…はい…大野なんでも屋です…あ、はい…少々お待ち下さい…和也」

和「はい？」

翔「電話、柏木さんから」

和「え！？」

何故柏木さんが？

和「はい…和也です」

柏『和也様、ご無沙汰しております。その節はありがとうございました』

和「いえ…あの…何か？」

柏『急な事で申し訳ありませんが、本日お時間がとれますでしょうか…』

和「今日ですか？はい…大丈夫ですが…」

柏『ありがとうございます。では、後程お迎えにあがります』

和「はい…では失礼します」

…一体何なんだろう…

智「どうした？柏木さん何だって？」

和「迎えに来るから、今日お屋敷にきて欲しいそうです」

潤「今日？急だな…俺も行くよ」

和「ありがとうございます」

翔「何かあったらすぐ連絡しろよ」

和「はい」

その後迎えの車が来たので、潤くんとお屋敷に行った

お屋敷に着くと応接間に通されたけど、そこには親族中が集まっていた

登「ちょっと柏木！何故あの偽物がここに来るのよ！！」

幹次「全くだ！アイツは関係ないだろう！」

柏「いえ、和也様も関係者です。和也様、こちらにどうぞ」

和「…はい…」

一体何が始まるんだ？

柏「それでは皆様お揃いになりましたので、これより故松山辰己様の遺言書を公開致します」

遺言書？何故俺が関係者なんだ？

弁護士「『私、松山辰己名義の土地、家屋、預貯金等は全て娘、松山香住に相続する。ただし、香住が相続困難となった場合は、遺産の全てを大野和也氏に相続する事とする』以上です」

・・・え？

幹次「なんだと！？」

登「そんなバカな！」

俺は遺言書を聞いて愕然とした…