第27章 偽装親子(1)
柏「お願い致します!旦那様は死期が近い事を悟っていらっしゃるのか『香住に会いたい』と毎日言われてます…そんな旦那様に少しでも元気になっていただきたいのです!」
翔「あの…差し出がましいようですが、奥様は…?」
柏「お嬢様が幼少期に他界されました。旦那様は再婚もされずにお嬢様と二人でお過ごしに…」
翔「そうですか…こちらも協力したいのは山々ですが、本人の意思を確認してみてから…」
珍しく翔くんが依頼に消極的だった事に違和感を感じたその時
和「別に良いですよ」
翔「か、和也!お前いつから!?」
いつの間にか和也が事務所の入口に立っていた
和「確かに私に似てますかね。もしよろしければ、この方の情報を教えて下さい」
柏「あ、ありがとうございます!旦那様の病状の事もありますので、出来れば早急にお願いしたいのですが…」
和「わかりました。もし、そちらがよろしければ明日からでも伺いますよ」
翔「あ、明日ってお前、劇団の方はどうするんだ!?」
和「大丈夫です。暫く舞台は入ってないので」
柏「ありがとうございます!お嬢様についての情報は後程ご連絡致します。一先ず私はお屋敷に戻ります」
柏木さんは何度も頭を下げながら事務所を後にした
翔「ったくお前は、勝手に依頼受けやがって…」
潤「どうしたの?翔兄さん…何か珍しいね」
和也と一緒に入ってきた潤も翔くんの様子に驚いていた
翔「…何か気になるんだよ、この失踪自体が…」
気になる?それって一体…