第23章 本当の家族(3)
~智side~
和「…と言う事なんですが…」
その日、和也が帰ってきて例の大谷ヤスシの会話の内容を話した
翔「そっか、やっぱそう簡単には話さないか…でも、大体の事は予測がつくよ。ありがとう和也」
雅「予測?」
翔「自分の店を出して失敗して何が残ったか…考えられるのは…」
潤「借金…」
翔「そう考えると『表に出てはいけないんだ』って言葉も納得いくよ」
智「どういう事?」
翔「恐らく、あの金貸しから借金して逃げてるからだろうね。あと、かえでさんからも…」
何でかえでさん?
雅「何でかえでさんからも逃げる必要が?」
翔「…借金するには連帯保証人が必要だろ?多分、その保証人が…」
和「…かえでさん…ですね」
じゃあ…かえでさんの借金って…長澤泰士の…
雅「許せない!そんなの!!」
潤「雅紀兄さん」
雅「だってそうだろ!?自分で作った借金を、かえでさんに押し付けて自分は逃げ回るって、どう考えてもおかしいよ!!そのせいでかえでさん…自殺しようとまで追い詰められて…」
雅紀はまるで自分の事のように怒って、そして泣いていた…でも、俺も気持ち的には雅紀と同じだった…そして、恐らく皆も…
翔「まだそうだと決まった訳じゃないよ。可能性は高いけどな…」
潤「どうする?翔兄さん…」
翔「…和也…今度彼に会わせてもらえるか?」
和「翔兄さん一人でですか?」
雅「俺も行く!!」
翔「いや、大勢で行って変に警戒されるより、一人で行ったほうが良いと思う」
確かにそうかもしれないけど…
智「翔くん一人は危ないよ」
翔「智くんまで…大丈夫だから。危険な事はしないから」
翔くんも言い出したら聞かないからなー…
とりあえず、翔くんの言う通りにしてみる事になったけど、本当に大丈夫かな…