第23章 本当の家族(3)
~和也side~
昨日はヤスさんがいなかったので何も聞けなかったけど、今日は話が出来そうかな?
和「ヤスさん、お疲れ様です」
ヤ「おー和、お疲れー!今日も相変わらず美人だなー」
和「あはは、ありがとうございます」
この乗り、岡田くんに似てるよなー…
和「昨日は風邪って聞きましたけど、大丈夫なんですか?」
ヤ「大丈夫、大丈夫!たかが風邪くらいでジッとしてられねーよ。一日で治っちまった。飲むか?」
和「ありがとうございます」
俺はヤスさんから缶コーヒーをもらい、隣に座った
和「そういえば、ヤスさんは何故ここで裏方として働いているんですか?」
ヤ「どうした?突然」
和「いえ…ヤスさんって舞台俳優としてもやっていける位男前だと思ったもので」
すると、突然ヤスさんは真剣な顔をして
ヤ「…俺は表に出てはいけないんだ…裏方として生きるべき人間なんだよ…」
和「…どういう意味ですか?」
ヤ「これ以上はトップシークレットだぜ?何?そんなに俺の事興味ある?」
まぁ、別の意味で興味はあるけど、これ以上詮索すると怪しまれるかな…?
和「すみません…ヤスさんの大道具としての技術がいつも凄いなって思ってたので、昔何をしてたのかな…と」
ヤ「…やっぱこういう仕事だよ。家具なんかを作ってさ…一度自分の店だそうと思って挑戦したんだけど失敗しちまった…後に残ったのは…」
和「…ヤスさん?」
ヤ「いけねぇ、いけねぇ。つい喋り過ぎちまった。そろそろ稽古が始まるんじゃないのか?」
和「あ、はい…」
そう言ってヤスさんは舞台裏に戻って行った
和「…肝心な所は聞けなかったけど、翔兄さんの言う通り、限りなく黒に近い様ですね…」
とりあえず、今日の所はここまでにしておきますか…