第22章 本当の家族(2)
~潤side~
俺は和の劇場から一目散に帰ってきた(今日店定休日で良かった…)
雅「あ、潤お帰り!和の様子は…」
潤「大丈夫!!」
雅「え!?おい潤!」
それだけ伝えると俺は自分の部屋に逃げ込んだ
やっぱヤバイよな…なんで俺、あんな事したんだろう…
俺は翔兄さんの事が好きな筈なのに…
和…怒ってるよな…
<コンコン>
部屋にとじ込もって暫くして、ドアがノックされた
潤「はい…」
翔「潤、コーヒー持ってきたけど飲むか?」
潤「翔兄さん!…って、え?コーヒー…」
翔「…何だよその顔…安心しろよ、入れてくれたのは智くんだよ」
…良かった…俺は翔兄さんからコーヒーを受け取り、翔兄さんもそのまま座り込んだ
翔「…で、何かあったのか?皆心配してるぞ?」
こんな事、翔兄さんに相談して良いのかな…
潤「…あ、あのさ、例えばだよ?元気のない友達がいて、その友達が泣いてて相談を受けたんだ。で、話を聞いているうちに、その…流れでキスしちゃったんだけど、そいつはその友達の事どう思ってるんだろ?」
何だ?この説明…俺何言ってんだろ…
翔「…お前、和也にキスしたのか?」
潤「ブフォ!!」
翔「うわっ!!大丈夫か!?」
お、思わずコーヒーを吹いてしまった…
潤「ケホっ!し、翔兄さん何で…」
翔「え?『そいつ』は潤で『友達』は和也なんだろ?」
潤「いや、だから何でそう思ったの?」
翔「?お前、和也の事好きなんだろ?」
潤「え!?」
お、俺が和の事好き…?
翔「もしかして、自分で気づいてなかったのか?」
潤「翔兄さん…いつからそう思ってたの?」
翔「いつから…っていうのは覚えてないけど、お前気がつくと和也の事見てるし、その時のお前の眼、スッゲー穏やかだからな」
…俺、そんなに和の事見てたのか…?
潤「和…怒ってるかな…キスなんかして…」
翔「どうだろ?そこは本人に聞かないとわからないけど、お前の気持ちが偽りのない真剣なものなら、和也もちゃんと答えてくれるんじゃないか?」
潤「…うん」
翔兄さんに話を聞いてもらい、自分の気持ちに気づかせてもらって良かった…