第22章 本当の家族(2)
和「…はぁー…」
劇団員①「どうしたの?和くんため息なんてついて」
和「ああ、すみません。何でもないので」
…俺って最低だな…いくらショックだったからって雅紀兄さんにあたる事ないのに…怒ってるかな…雅紀兄さん…
和「そういえば、今日ヤスさんは?」
劇団員①「今日は風邪でお休みだって」
こっちは空振りか…何やってんだろ…
一人モヤモヤとしていたら、何か廊下が賑やかになってきた…
劇団員②「和くーん!面会よー!」
和「面会?私にですか?」
劇団員②「そ!スッゴいイケメン!!」
今日は公演もないのに…と思っていたら、入ってきたのは…
潤「よう!和」
和「潤くん!?どうしたんですか?」
潤「ちょっとな。あ、これどうぞ、差し入れです。皆さんで食べて下さい」
劇団員②「ありがとうございます!」
そう言って潤くんは大きな箱を手渡していた。きっとあれも手作りなんだろうな…
和「で?どうしたんですか?突然」
潤「んー、今朝のお前が気になったからさ…様子を見に来たんだ。もしかして…雅紀兄さんに関係ある事…?」
和「…潤くん…ちょっと出ませんか?」
潤「ああ…」
和「すみません、ちょっと出て来ますので」
劇団員「はーい」
後ろを振り向くと、潤くんが持ってきたケーキ(と思われるけど、中身がもうないな…)に群がってしきりに美味しい!って声が飛び交っていた
潤「…凄い食欲だな…ちょっと少なかったかな…」
和「潤くんの作るものが美味しいからですよ。前回の差し入れも大好評で『何処のお店の?』って聞かれたんですから」
潤「そうなのか?じゃあ今度はもっと気合い入れて持ってくるか」
潤くんと他愛ない会話をしながら、俺達は人気のない場所に行った