第2章 新しい家族(2)
潤「俺、行かないよ!ここにいる!」
翔「潤!お前何言ってんだ!ここにいるより大野さんの所に行ったほうがお前の夢が…」
潤「俺の夢は翔兄さんがいなきゃ意味ないんだよ!!」
翔「…え?」
・・・潤の夢には翔くんが必要…?
意味が解らず潤の顔を見ると眼にうっすら涙を滲ませていた。
潤「7年前、父さんと母さんが死んでしまった事で、翔兄さん本当は大学に行きたかったのに、俺の為に就職する事にしたの、兄さん何も言わなかったけど俺、知ってたよ…」
翔「…潤…」
潤「俺、そんな兄さんに何かしたくって、生まれて初めてオムライスを作ったけどお世辞にも美味しくなくって…でも兄さん『美味しい!』って満面の笑顔で食べてくれた事が俺、すごい嬉しかったんだ」
翔「・・・」
潤「その時決めたんだ。いつか一流のシェフになって、毎日翔兄さんに美味しい料理を作ってあげるんだって…だから、兄さんがいなきゃ俺の夢は何の意味もないんだよ!」