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ひとつ屋根の下【気象系BL】

第20章 パパと呼ばないで!?(7)


智「さて…っと。んじゃ話を聞こうか」

あれから数十日経ち、さくらの母親のかえでさんも話せるまでに回復したので話を聞きに来ていた(さくらと雅紀は一緒に出掛けた。さくらは『雅紀お兄ちゃんとデート!』って喜んでた…なんか複雑…)

か「…ご迷惑おかけしました…」

智「聞きたい事は色々あるけど、まず最初に何でさくらに俺が父親だって言ったんだ?」

か「他に頼める人がいなかったので…父親だといえばさくらも怖がらずにいけますし、初めてお会いした時優しそうな方だと思ったので、さくらにきつくあたる事もないだろうと…」

なるほどな…

翔「依頼内容にあった『長澤泰士』という方はさくらちゃんの父親ですか?」

か「…そうです」

翔「依頼を3日と制限したのは何故ですか?もっと日数をいただければ、居場所を探し当てる事もできたと思いますが…」

か「…探し当てるには恐らく時間がかかると思いましたので、無理な依頼をすれば多分記憶に残るから、さくらを印象付けしやすいかと…」

…何もかも計算済みって事か

和「それだけさくらちゃんの事を考えているのに、本人の気持ちは何故考えなかったんですか?」

か「…すみません…」

和「さくらちゃん、風邪をひいて夜熱にうなされながら『ママに会いたい』って…『一人にしないで』って言ってたそうです。当たり前ですよね…まだ母親が恋しい年頃なんですから」

潤「和…言い過ぎだぞ」

か「…いいえ…その方の言う通りです…私はさくらのためと言いながら、ただの自己満足でしかなかった…母親失格です…」

そう言ってかえでさんは涙を流していた

潤「そこまで気にする事は…」

か「…潤さん…」

潤「はい?」

か「さくらがよく言ってるんです…『潤お兄ちゃんの作るご飯とかおやつ、凄くおいしいんだよ』って」

確かに毎日潤の作るものは何でも『おいしい!』って食べてるよな

か「私、あの子が何が好きで何が嫌いかなんて知りません…当然ですよね…忙しさにかまけてほとんど家にいなかったし、ちゃんとした食事なんて食べさせた事はなかったから…」

俺達は何も言えなかった…

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