第20章 パパと呼ばないで!?(7)
和「良いのではないですか?好き嫌いが解らなくても」
か「え?」
和「今のさくらちゃんにとって、食べ物の好き嫌いよりお母さんと一緒にいる事のほうが大切なんです…だからこれからは、ありったけの愛情を注いであげて下さい」
その時、潤がかえでさんにメモを渡して
潤「これ、さくらちゃんが特に好んで食べてるものです。元気になったら一緒に作りましょう」
翔「そうだね。そうすればさくらちゃんの好みは自然とわかるようになりますよ」
か「…ありがとう…ございます…」
かえでさんはメモを握りしめて泣いていた
智「という事で、かえでさんは元気になるまでここで養生して下さい。治療費はこちらで全額負担しますので」
か「そんな…!ただでさえさくらの事でご迷惑お掛けしているのに、そこまでしていただく訳には…!」
和「大丈夫ですよ。大体この人は頑固なんで一度決めた事はテコでも変えませんから、言っても無駄ですよ」
・・・頑固は余計だ!
翔「あと、先日お断りした依頼受けさせて下さい」
か「え!?で、でも…」
翔「大丈夫。先程も言いましたけど、日数をいただければ探し当てる事はできます。これはあなたの為だけじゃなく、さくらちゃんの為でもあるんです。お願いします。やらせてもらえませんか?」
潤「翔兄さん…大丈夫なの?」
翔「大丈夫じゃなきゃ言わないよ」
翔くん…やけに強気だな…
か「…よろしいのですか?」
翔「はい」
か「では…宜しくお願いします」
翔「畏まりました」
こうして俺達は新たにさくらの本当の父親『長澤泰士』を探す事になった