第20章 パパと呼ばないで!?(7)
さ「パパ…どうしたの?何で泣いてるの?」
智「え?あ…」
俺は感情的になりすぎて泣いてしまったんだ…
さ「パパ、まだお怪我が痛いの?さくらが治してあげるね。痛いの痛いの飛んでけー!」
さくらは俺の背中に手を添えて投げるように上に手をあげた
智「さくら…」
さ「あれ?まだ痛い?じゃあもう一回ね」
智「違うよさくら…これは嬉しくて泣いてるんだよ…ありがとうな…さくら」
さ「えへへっ♪」
さくら強いな…事情はわからないにしても意識の戻らない母親を目の当たりにしてるのに…父親変わりの俺がこんな事じゃさくらに笑われるな…
翔「…あれ?」
俺の背後に立っていた翔くんが何かに気がついたようだった
智「どうした翔くん?」
翔「今…かえでさんの手、動かなかった?」
智「え!?」
翔くんに言われ手元を見ていると微かに指が動いた
智「動いた!意識が戻ったのか!?」
か「・・・」
今度は口元が少し動いた
翔「…さくらちゃん!ママが呼んでるよ!」
さ「ママ!ママー!」
翔「俺先生呼んでくる!!」
翔くんは先生を呼びに飛び出して行った
か「…さ…く…」
さ「ママー!」
智「さくら、ママの手を握ってやれ」
さくらは母親の手を思いきり握っていた
暫くして翔くんと一緒に先生が入ってきて診察をした
先「…とりあえず山はこえたようですね。ただ、まだ予断は許さない状態ですので」
智「ありがとうございます!」
翔「良かったね、さくらちゃん。ママきっと元気になるからね」
さ「うん!」
その後俺は病室に戻されたけど、さくらは翔くんと一緒に母親の側を離れなかった