第20章 パパと呼ばないで!?(7)
数日後、少しずつ動けるようになってきたので(歩くのは厳しいから)車イスに乗せられてさくらの母親に会いに行った
翔「ここだよ」
翔くんに連れられてきたのは同じ病院内にある病室だった
智「…名前書いてないけど…」
翔「それは中で説明するよ」
そう言われ病室の中に入ると、ベットの上には身体中包帯で巻かれ意識なく横たわる女性がいた…
さ「ママ…パパきたよ」
智「…なんで…こんな事に…」
翔「…これを見て」
翔くんに渡されたのは、新聞記事だった
そこに書かれていたのは…
『マンション屋上から女性転落 意識不明の重体』
智「…『7階建てマンションの屋上から身元不明の女性が転落、意識不明の重体となっている。警察の調べで、マンションに設置されている防犯カメラに女性が一人で侵入してる映像が映っており、現場に争った形跡がない事から自殺をはかったとみている』…これって…」
翔「転落した時、途中で木に引っ掛かった事で即死は免れたけど、意識はずっと戻らないままらしい…身元がわかるものがなかったから病室の入口も名前が入ってないんだ…」
智「なんで…自殺って…」
翔「…憶測でしかないけど、やっぱり借金じゃないかな…取り立てもかなり酷いものだったし…」
それはわかる…わかるけど!
智「だからってなんで自殺なんかするんだよ!?なんでさくらを残して逝こうとするんだ!!」
翔「智くん…」
智「自分は死んで楽になりたかったかもしれないけど…残されたさくらはどうするんだよ…まだ母親に甘えたい年頃なのに甘えられない…夜恐い夢を見ても側に居てくれない…子供にとってそれがどんなにツラい事か何でわかんねーんだよ!!」
俺はつい感情的になって大声になってしまった…