第19章 パパと呼ばないで!?(6)
~和也side~
あの後、岡田くんの作戦通りにいくという事で話がまとまり、翔兄さんとさくらちゃんと俺の三人で指定されたビルに来ていた
翔「…雅紀は大丈夫かな…」
和「雅紀兄さんなら大丈夫ですよ。ちょっとやそっとじゃ壊れませんから。兎に角、急ぎましょう」
翔「…和也…しれっときつい事言うな…」
さ「翔ママ…」
翔「大丈夫。さくらちゃんに恐い思いはさせないから」
ビルの三階に上がると、この間俺に絡んできた男がドアの前に立っていた
男①「来たか。へぇー…今日はまたえらい美人が一緒だな。社長が気に入りそうだ」
・・・ったく、どいつもこいつも
和「子供は連れて来た!智兄さんは無事なのか!?」
男①「そう怒るなよ。可愛い顔が台無しだぜ」
事務所の中に入ると部屋の真ん中に男が二人とその足元に…
和「智兄さん!」
さ「パパー!」
背中を血で赤く染めていた智兄さんが倒れていた
翔「…あの出血量…早く処置しないと…」
社「大事な兄貴を助けたければ、とっととそのガキをこっちによこしな」
岡田くん…早く!
俺達がさくらちゃんを手放さないから、男が一人翔兄さんに近づいてきた
社「ほぅ…上玉じゃないか…そっちの奴もなかなかの美人だし、好き者の奴に声を掛ければいい金になるぜ。こっちの奴は俺の手元に置いてもいいな」
男が翔兄さんの顎に手をかけたその時
<コツン…コツン…>
男②「何だ?」
<コツン…コツン…コツン>
事務所の窓に物があたる音がした