第19章 パパと呼ばないで!?(6)
~雅紀side~
雅「おーい、智兄!さくらちゃーん!」
俺と翔ちゃんと潤は劇場から居なくなった二人を探していた(和は舞台があるから終わってから合流する事になっている)
翔「雅紀!」
雅「あ、翔ちゃん!潤!どうだった!?」
翔「だめだ…どこにもいない…」
潤「くそーっ!どこ行ったんだよ!」
その時、翔ちゃんの持っていた仕事用の携帯がなった
翔ちゃんは常に携帯を2つ持っている。個人用と仕事用で、外出時に便利屋の事務所にかかった電話をとれるよう転送させている
翔「はい、『大野なんでも屋』です…え?警察!?」
雅「え!?」
翔「はい…本当ですか!?はい!すぐ伺います!」
潤「どうしたの翔兄さん!?警察って…」
翔「隣町の交番でさくらちゃんを保護してるって!」
隣町!?何でそんな所まで
潤「さくらちゃんだけ?智兄さんは?」
翔「わからない…ビルの隙間に隠れるようにうずくまって泣いてる所を、ビルの所有者が偶然見つけて保護したらしいから…」
潤「兎に角、行ってみよう!」
俺達は車を飛ばして隣町まで急いだ
連絡のあった派出所に着くと、警察の人とソファーの上にさくらちゃんが座っているのが見えた
雅「さくらちゃん!」
さ「雅紀お兄ちゃーん!」
さくらちゃんは俺達の姿を見ると泣きながら俺にしがみついてきた…見た所ケガはしていないようで良かった…
潤「さくらちゃん、智兄さんは?一緒じゃないの?」
さ「パパ!パパを助けてお兄ちゃん!!」
雅「助けてって…どういう事!?」
さ「…ぐすっ…パパ…逃げようとしたけど…さくらだけ…助けて…ひっく…パパ…血がいっぱい…」
翔「血!?智くんケガしたの!?」
大変だ…早く智兄を助けないと…!