第17章 パパと呼ばないで!?(4)
~翔side~
あの騒動から2日たったけど、依然さくらちゃんは俺と一言も話をしようとしなかった
智「えーっと、今日の依頼は何があったっけ?」
翔「智くんと雅紀に夜間警備の依頼が入ってるよ」
智「ああ、どっかの美術館のか」
潤「…どっかのって…」
翔「あ、潤…そういう事なんで今日と明日は、智くんと雅紀は店に行けないから。徹夜になるし」
潤「うん。大丈夫、何とかなるよ」
和「あ、私も今日は遅くなりますので」
翔「舞台?」
和「はい。公演も近いですし、最後の追い込みです…あ、そうだ、この間頼まれてたチケットです」
翔「…あれ?」
俺は和也からチケットを受け取ったけど…枚数が多い?
翔「和也…枚数多くないか?」
和「?智兄さん、翔兄さん、雅紀兄さん、潤くん、さくらちゃん…合計5枚でしょ?」
あ、そうだった…和也は知らないんだった…
翔「…ごめん、俺は…」
智「良いんだよ5枚で。俺がそう言ったんだから」
翔「え?でも智くん…さくらちゃんが…」
智「さくらがどう言っても、翔くんは俺の弟なんだから気を遣う事はないんだよ」
翔「智くん…」
どうしてこの人は、俺が欲しいと思った言葉がさらりと出てくるんだろう…本当にすごい人だな…智くんって
さ「…おはよう」
雅「あ、さくらちゃんおはよう…どうしたの?元気ないね」
さ「え?何でもないよ」
何でもないって言ってるけど、明らかに顔色が悪い…もしかして…
翔「さくらちゃん、ちょっとごめんね」
さ「や、やだ!触んないで!」
嫌がるさくらちゃんの額に無理矢理手をそえると熱かった
翔「…やっぱり熱がある…病院に行こう」
さ「やだ!行かない!さくら大丈夫だもん!寝てたら治る!」
さくらちゃんは何故か頑なに病院を嫌がっていた