第4章 日常編② 月島蛍
あれ…あったかい…
あの嫌味ったらしい蛍からは想像のできないほどの包容力。
産まれたばかりの赤ちゃんをそっと抱くように。でもなんだか力強い。
私はこのギャップに不覚にもキュンとしてしまった。
そして、もっと抱かれてたい、とまで思ってしまった。
日頃の悩みや不安、全部を取り消してくれるように感じる。
私の背中にある蛍の手は
「僕が守ってやる」
とでもいいそうで。…多分自意識過剰だけど笑
私は生理的に涙が出そうだった。
安心して、今までの悩みとか不安とかが涙となって出ていくように。
でもここで泣いたらバカにされる!と思って泣くのは我慢した。
キーンコーンカーンコーン
お昼休み終了の鐘。
私たちはやっと離れた。
そのとき、私は恥ずかしさに襲われた。
どしよどしよどしよ!!抱きついちゃったよ…
誰かに見られてないよね?!
あぁもう恥ずかしすぎて蛍を直視できないよ…
それはどうやら向こうも同じようで、蛍も顔が赤くなってた。