• テキストサイズ

CRIME【気象系BL小説】

第8章 Terminar


潤「う、ん…」


「潤起きた?おはよう」


潤「はよ…」


布団の中から俺を見つめる天使。
ベッドに腰掛け、そっと髪の毛を撫でる。
少し長めの襟足を指に絡めて遊ぶ。


「可愛かったよ…潤」


そう言うと恥ずかしそうに笑った。
でもその顔色はあまり良くなくて。


「どうした?」


そう尋ねると、首を振りながら起き上がろうとした。


潤「ごめん…帰る」


「え?」


潤「ちょっと…具合悪くなっちゃった」


「大丈夫?送ろうか?」


潤「平気。ごめん…」


起き上がる潤を支えながら服を着せる。


「ごめん…体調悪かったのに無茶させちゃったかな」


潤「雅紀のせいじゃ…ない」


「うん…でも」


潤「ごめん。せっかくこんな立派なホテル取って貰ったのに」


「まぁ、夕飯まで一緒に居たかったけど。また今度来ようね」


でも潤はイエスと言わないまま、靴を履くと立ち上がる。


潤「雅紀はここに居てよ」


「潤が居ないのに居ても仕方ないよ。一緒に帰るから」


潤「本当にごめん」


謝る潤の顔色が酷く悪い。


「病院…行かなくて平気?」


潤「大丈夫」


「そっ、か…じゃあ急いでタクシー捕まえよう」


こうして、俺は後ろ髪を引かれる想いで潤と別れた。
/ 161ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp