第7章 Pântano
「うーん…」
温かい。
身体を包む温もりが気持ちよくてぎゅっと抱き締める。
その感触が心地よくてそして懐かしく思えた。
小さい頃抱き締めてた記憶が蘇る様な…。
ずっとこのまま眠っていたい。
暫くするといい匂いが漂ってくる。
ゆっくりと目を開くと…俺は潤にしがみつく様に抱き着いて眠っていた。
潤も俺を抱き締めたまままだ眠っている。
「………いい大人がひとつのベッドで抱き合って…」
おかしくて笑ってしまう。
「潤。起きろよ」
トントンと叩いても潤はまだ起きない。
「寝顔もイケメンだな…」
呟きながらそっと…昨日触れ合った唇を撫でた。
俺達は兄弟だ。
分かってる。
イタリアでのあの夜の事は…心の奥底に封印した筈なのに。
潤と居るとどうでもよくなってしまう。
自然と…キスしてしまった。
潤「う、ん…何…?」
唇を撫でてると潤が目を覚ました。
「………おはよ」
潤「おはよ。何してんの?」
「………思い出してた。昨日のキス。あの時の…セックス」
潤「………実家で何思い出してんの」
「何でだろうね」
そう笑うと潤が手を伸ばして俺の唇を撫でる。
潤「たまには…そっちからしてよ」
寝起きの掠れた声がやけに色っぽかった。
ゆっくりと顔を近付け、俺は自分から潤にキスをした。