第6章 não deixe
「潤は…そういうの…平気?同性愛とか」
そう尋ねると…潤は優しく首を横に振った。
潤「人が人を好きになるのに理由なんてないよ。同性愛とかゲイとかそういう言葉自体ナンセンスだ。本気で人を愛したら…そんなの関係ない。周りからどう思われようと貫くべきだ」
そうハッキリと強い言葉で潤は言い切った。
今…そんな人が居ると言ってるかの様に。
「………付き合ってる人…居るの?」
潤「居るよ。でも…分からない。これからどうすべきなのか」
「潤…」
気が付けば…俺は潤の手に…自分の手を重ねていた。
「あの…俺…」
潤「ん?」
「俺は…ゲイじゃない。女性が好きだ。俺も恋愛に性別は関係ないと思うけど…女性が好き。でも…君を見てると…」
潤「………」
黙って次の言葉を待つ様に、潤が俺の瞳を捉えて離さない。
「俺…君が好きなんだと…思う。それも…堪らなく好きだ…」
潤「………」
「ごめん…ただ君の側に居たかっただけなんだ。今日誘ったのも…でも…一緒に居るうちにどんどん好きに…なっていって…」
潤「………何で謝るの」
握った潤の手が…俺の手を握り返す。
潤「………雅紀」
「………うん」
振られる…そう思った。
潤から目を離してうつ向いた。
潤「雅紀の事…好きになれたら幸せだと思う。好きに…なりたい」
「え…」
思わず顔を上げると潤は笑っていた。
「………好きでいても…いいの?」
潤「これからどうなるか分からないけど…」
それだけでも…嬉しかった。
潤の側に居られる。
こうして潤に触れても…笑ってくれる。
その綺麗な指に…俺のを絡めた。
潤「雅紀…俺を奪ってみる…?」
潤の呟きが…何度も頭の中に響いた。