第4章 sexo segunda vez
目の前に居るのは…俺の血の繋がった兄。
でも…それを知ったのはほんの数日前で。
兄が居るとは聞いていたけれど…会う事はないと思ってた。
まさか…貴方が兄だったなんて…。
あんなに…心惹かれた人が…俺の…血の繋がった…兄…。
心惹かれたのは…血の繋がりがそうさせたんだと…言い聞かせた。
でも…兄だと分かっても…目の前で泣いている貴方を見ると…また同じ気持ちになる…。
これって…。
俺は…ゆっくりと翔の手を取った。
「翔」
翔「何…?」
「酔ってるなら…忘れるだろうから言うよ」
翔「え…何を…?」
「あんたを目の前にしたら…兄弟なんて…どうでもよくなる。それ位…あんたは魅力的だよ」
翔「潤…」
「兄弟なんて…目に見えないそんなもの…こだわるなんて…くだらない。あの日の翔との思い出は…ずっと忘れられないんだ」
翔「………本当に…?」
「ブレスレット…俺が置いていったの覚えてる?」
翔「………持ってるよ。ワザとだったの?」
「やっぱり…。俺…また逢いたくてワザと置いていった。それでまた逢いに行ったけど…貴方はもう帰国した後で…忘れ物としても届けられてなかった…」
翔「………また逢えたら…名前…聞こうって。そんな奇跡…起きる訳ないって…思ってたけど…」
「奇跡が起きた。まさか…兄弟だったなんて…」
そう言うと…翔は笑った。