第4章 sexo segunda vez
翔「あー…俺のビール…」
「もう終わり。ほらベッド連れてってやるから」
翔「まだ寝たくない…」
「寝てたじゃんか」
翔「ウトウトしてただけだもん…」
「何言ってんだ。野垂れ死んだみたいに寝てた癖に」
翔「………」
すると…翔が曇った顔でうつ向いた。
翔「………野垂れ死ねたら…どんなに楽か…」
「………何かあった?」
翔「………なぁ…潤」
スッと顔を上げた翔は…今にも泣きそうな顔をしていた。
「何?」
翔「俺って…魅力ない?」
「は?」
翔「答えろよ…」
「何でだよ…」
翔「何で…俺と寝た?」
「何言い出すんだよ。忘れるんじゃなかったのかよ」
翔「気になるんだよ!ストレートなお前が…逢ったその日に男と寝るって…凄い事だよな?」
「止めろよ」
翔「俺…お前と寝て…少し自信になったんだよ。俺…またイケてんだって。でも今日…そんなのどうでもいい位…打ちのめされて…そんなの意味ないって…」
「………」
翔「愛する人に愛してもらえなきゃ…そんなの無意味なんだって…。どれだけイケてたって…意味ないって…」
「………酔ってる?」
翔「酔ってなきゃ聞くかよ!弟にこんな事…」
そして…ポタポタと、翔の瞳から涙が溢れた。
その瞬間…あの時の様に、俺の心が…ギュッと掴まれた気がした…。