第3章 convivência
整った顔立ちの潤の鋭い視線に俺も一瞬怯んでしまう。
潤「………殴る事ねぇだろ」
「………お前が…あんな事言うから…」
潤「事実じゃんか」
「事実でも言っていい事と悪い事あんだろ」
潤「………」
「弟だって知ってたら…あんな事しなかった。間違いだった。そうだろ?」
潤「確かにそうかもしれない…でも…あの時俺達の間には…一晩だけでもそれ以上の何かあったって…俺は思ってた。兄弟だって事実があったとしても…」
「何かなんてない。頼むから…もう止めろよ」
潤「………」
「潤。俺達は兄弟だ。それ以上でもそれ以下でもないよ」
潤「………分かった」
そしてそのまま潤は玄関へと向かった。
「潤。何処行くんだよ」
潤「彼女のとこ。泊まってくから飯いらない」
「え…」
潤「じゃあね。これから宜しく…兄さん」
一瞬だけ俺を見つめた後、潤はそのまま出て行った。
「………彼女…」
胸の奥が…モヤモヤした。
この…気持ち…。
違う。
弟に出て行かれて寂しくなっただけだ。
それだけ…だ…。
1ヶ月…どうなるんだろう。
何事もなく過ごせるのか…。
不安に襲われたまま…弟・潤との同居生活がスタートしていった。