第10章 Melhor amigo
雅紀「はぁっ、はぁ…」
ゆっくりと雅紀が腰を引く。
塊が抜けると溢れる白濁がまたシーツを汚していく。
雅紀「潤…愛してる…」
雅紀が俺を抱き締めキスをしてくる。
もう俺に触るな…。
そう思っても散々雅紀に抱かれ続けた身体は全く言う事を聞かなかった。
声も…出せない。
今何時かも分からない。
雅紀「こんなに愛し合ってるんだから…側に居るべきだよ俺達は」
「………」
雅紀「潤。潤がイエスって言う限りここから出さないよ。お前は俺の物だ。一生離さない。お前が言ったんだよ。『奪ってみる?』って…。奪ってやる。翔ちゃんから。絶対渡さない」
雅紀…。
雅紀「愛してるんだよ…愛してる…愛してる…愛してる…愛してる…」
何度も何度も呟きながら雅紀は俺の身体中に唇を落としていく。
雅紀「ずっと…ここにいろ。もう何処へもやらない…お前が居なくなるって考えただけで頭がおかしくなりそうだ…潤…」
時々聞こえる嗚咽。
出会った時の…雅紀はもう居ないのか。
優しい…好きになりたいと思ったあの笑顔は今はない。
俺のせい…?
俺が雅紀を変えてしまった。
俺が…あの日雅紀を誘わなければ。
雅紀…許して。
遠くで聞こえるインターホンを聞きながら俺はゆっくりと意識を手放していった。