第10章 Melhor amigo
ー翔sideー
「誰だよ…こんな夜中に…」
真夜中、睡眠を妨げる着信音で目が覚める。
智「んー…何…」
「分かんない…ちょっとごめん」
頭を掻きながらベッドから起き上がり、枕元にあるスマホを取る。
「え…」
驚きながらも慌てて電話に出る。
「もしもし」
翔母『もしもし翔。貴方お父さんに何言ったのよ!!』
脳内に響く金切り声。
翔母『私は絶対認めないから!!分かってるわね!?』
「夜中にいきなり電話してきて何の話だよ」
翔母『惚けるのもいい加減にしなさい!!』
「だから意味分からねぇって言ってんだろ。うるさいよ!」
翔母『親に向かってうるさいとは何よ!!』
「何が親だよ!!」
翔母『とにかく。近い内に会いに行くから潤と一緒に待ってなさい。貴方も潤も…許さないわよ!!』
「何が…おい!もしもし!」
理由も分からず怒鳴られ、一方的に切られてしまう。
「何なんだよ…」
智「ん…どうしたの…」
「あ、ごめん。母さんが何か…良く分かんない…」
スマホを枕元に置き、布団に潜り込む。
「ごめんね。目が覚めたでしょ」
智「大丈夫」
一体何の意味があったのだろうか。
分からないまま、俺は目を閉じた。