第10章 Melhor amigo
ー雅紀sideー
「お帰りなさい。遅かったね」
潤「ごめん。試験前だったから」
いつもより遅い帰宅の潤。
玄関まで迎えに行くと潤は俺の横をすり抜けてリビングへと入る。
「夕飯は?」
潤「食べて来た」
「そうなの?潤の分作ったのに」
潤「ごめん。連絡すれば良かった」
申し訳なさそうにする潤を見ていると…在らぬ疑いが脳裏に過る。
「………翔ちゃんとこ行ってたの?」
潤「………は?」
「試験勉強なんて嘘付いて翔ちゃんとこに行ってたんじゃないの?」
潤「何言ってんだよ」
「おかしいだろ。連絡もさずにこんな時間まで帰らないなんて無かったのに」
潤「忘れてたんだって…ごめん」
「………潤。俺の事好き?」
潤「何でそんな事聞くんだよ」
「言えよ。俺の事好き?愛してる?」
潤「雅紀…」
「………渡さないよ。翔ちゃんになんて」
潤「雅紀。兄さんとはそんなんじゃない!言っただろ!俺達は兄弟だぞ!」
声を荒げる潤の腕を掴む。
潤「いった…!雅紀!」
「………嘘つき」
潤を睨み付けると潤が怯えた顔をする。
「兄貴になんて欲情してんじゃねぇよ変態。俺にしとけ」
潤「ん、んぅっ…」
壁に身体を押し付け、乱暴にその唇を奪った。