第10章 Melhor amigo
「………智くん」
智「お帰り」
自宅へ帰ると智くんがリビングでお茶を飲んでいた。
智「どうしたの驚いた顔して」
「だって…」
智「合鍵貰ったよ。だって俺が返したやつそのままあったから」
「………」
智「何処行ってたの?電話したんだけど」
「………雅紀と…潤と飲んでて」
智「弟くん?」
手を伸ばし、引き寄せられて隣に座った。
「雅紀と…付き合ってるんだ」
智「弟くんが?」
「うん…」
智「ふーん…」
そのまま智くんは俺の腰に手を回し、お腹に顔を埋めてくる。
智「………愛してる…」
「………智くん…」
智「翔くんは…俺の事愛してる?」
「………愛してたよ。本当に愛してた」
智「………過去形…か…」
「………せめて…彼女を妊娠させてなければ……」
智「………ごめん…」
「………あの時俺達はもう終わったんだよ智くん」
智「でも俺と寝た」
「………」
そのまま智くんが俺をソファーに押し倒す。
智「弟くんは恋人が居る。君も…早く諦めろよ」
「智く…!」
智「気付いてないとでも思った?」
智くんの広角が上がる。
智「俺にしとけよ。翔くん」
ゆっくりと彼の唇が重なった。