第9章 Contenda com minha mãe
腕を擦りながら母さんが潤から離れる。
潤「さて。俺帰る」
「潤?」
潤「爺さんの事はしっかり弔ったし。これ以上そいつと居たくないから。父さんと昌さんと一緒に帰るよ」
そう言って潤が父さんと昌さんの背中を叩く。
潤「兄さんどうする?」
「え…」
潤「………来る?」
「………」
黙ってそこに立つ母さんを見つめた後、俺はゆっくりと口を開いた。
「………ありがとう。でも俺は残る」
潤「兄さん」
「俺は…櫻井の人間だから最後まで居る。それに…縁を切るなら切る前にちゃんと話したい。2人で」
潤「何度もしてきたんだろ?それを突っぱねたのはそいつだろ」
「分かってる。でも…俺にとっては母さんだから。俺を育ててくれたのは事実なんだよ。だから…残る」
潤「………そっか。分かった」
にっこりと微笑む潤。
父「翔。連絡する」
「うん。気を付けてね。昌さんも…来てくれてありがとう」
松岡「翔くんまた」
そしてそのまま3人は葬儀場を後にした。
母「………」
「………戻ろう」
俺はそれ以上何も言わずに母さんの横をすり抜け会場に戻った。