第9章 Contenda com minha mãe
一瞬静かになる葬儀場のホール。
殴られた頬を押さえながらワナワナと震える母さん。
さっきまでの表情とは違い、冷たい瞳で母さんを見つめる潤の姿。
母「あんた…誰に向かってそんな事を…!」
潤「あんたしか居ないだろおばさん。頭沸いてんのか」
「じ、潤…!」
母「何ですって!?」
潤「もうあんたを母親なんて思わない。まぁ思っても無かったけど…あんたに言われた言葉で区切り付けれた。本当に良かったよ。俺は最高の両親に育てられた。俺を捨ててくれてありがとう。もうあんたを母親なんて言わないから安心して。違う呼び方で呼ぶよ」
母「………何よ」
潤「子宮提供者」
そう言って鼻で笑う潤にカッとなった母さんが手を上げると今度は難なく潤が押さえる。
母「離しなさい!」
潤「あんたに命令される覚えはないね」
母「離せって言ってるのよ!」
潤「………そうやっていつも兄さんに声を上げてきたのか。殴ってきたのか。あんたのせいで兄さんがどれだけ傷付いてきたか。子供の頃に受けた傷は一生残るんだぞ。あんたがこれまでの兄さんの人生台無しにしたんだ」
母「いっ、た…」
ギリギリと潤の指が母さんの腕に食い込む。
潤「………覚えておけ。俺も兄さんも…お前の事許さない。親なんて思わない。年取って動けなくなったその時は…勝手に独りで野垂れ死ね。お前がした事の天罰だ」
低い声で言い放った後、潤が漸く手を話した。