第9章 Contenda com minha mãe
「母さん止めろ!」
父「止めろ!息子を殴るな!」
母「はぁっ、はぁっ…」
俺に押さえつけられながらなおも息を切らしながら父さんを睨み付ける母さん。
父「翔大丈夫か」
翔「………平気。慣れてるから」
父「………やっぱりここに来て良かった」
母「何よ」
父「聞いてるよ。俺と別れてからお前が翔にどんな仕打ちをしてきたか」
母「………」
父「お前には本当に悪い事をした。けれどそれと翔は関係ないだろ。お前がお腹を痛めて産んだ息子だ。離したくないって…翔は渡さないって言ったのはお前だろ。なのに何でここまで酷い事が出来るんだ」
翔「え…?母さんが…俺を渡さないって言ったの?」
母「………」
父「そうだ。離婚の話し合いをした時陽子は譲らなかった。俺は…兄弟は離すべきではないと。どちらかが引き取るべきだと言ったんだ」
母「当たり前じゃない。貴方なんかに瓜二つの子供なんて憎しみの対象にしかならないわ」
父「陽子!」
父さんの平手が母さんの頬に飛ぶ。
陽子「何するのよ!」
母さんが振り上げた手が父さんに飛ぶ。
筈だった。
けれど…
松岡「潤くん!」
父「潤!」
間に入った潤が頬を押さえながら母さんを見つめていた。