第9章 Contenda com minha mãe
母「待ちなさいよ!」
葬儀場の入口で母さんが父さん達に怒鳴り付ける。
振り返った2人は黙って母さんを見つめた。
母「何しに来たのよ」
翔「母さん止めろよ。中まで聞こえるだろ」
兄さんが腕を掴んでも乱暴に引き離し、2人を睨み付ける。
松岡「勝手にお邪魔して申し訳ありません」
母「………まさか香典持ってきたんじゃないでしょうね」
父「手ぶらで来る訳ないだろ」
母「………汚らわしい。貴方達が触れたお金なんて要らないのよ!」
母さんが受付に入り、箱を漁り始める。
翔「母さん止めろよ!みっともない!」
母「離しなさい!私に触らないで!」
思いきり振り払われ、兄さんが机に手をぶつける。
「兄さん!」
翔「………平気」
父「陽子!」
父さんが声を上げながら母さんに駆け寄る。
松岡「俊さん…!」
母「あんたのせいよ!全部あんたのせい!あんたとその男のせい!一生顔を見せるなって言ったのに何なのよ!嫌がらせのつもり!?」
父「すまない。お義父さんにはよくしてもらったから…翔に連絡を貰って最後に挨拶しようと思っただけだ」
母「あんたまた余計な事を!!」
母さんが手を振り上げ、兄さんを殴り始める。
両腕で顔をカバーする兄さんを母さんは何度も殴り付けた。