第9章 Contenda com minha mãe
ー潤sideー
お祖父さんに初めて会ってから1ヶ月後。
亡くなったと連絡が入った。
その間に兄さんと一緒に何度か会って話をしたからむしろ、悲しみより温かい気持ちになっていた。
母さんは反対してたけど、他の親戚の人達の計らいで俺は兄さんと一緒に親族席に座る事が出来た。
木魚と読経を聞きながら、祭壇に飾られたお祖父さんにの遺影を見つめる。
ほんの数回しか会えなかったけど、優しい人だった。
そんな事を思ってるといつの間にかお焼香の順番が来る。
兄さんと並び、お焼香を済ませ、次に並ぶ人達に頭を下げていく。
それを繰り返していると、後方に見える知った顔。
父さん…昌宏さん…。
兄さんを軽く肘で押しながら視線を送ると、兄さんが嬉しそうに微笑みながら頭を下げる。
すると。
手前に居た母さんもそれに気付き、顔付きが変わる。
嫌な予感がした。
お焼香を終えた2人は頭を下げて足早に会場を出て行こうとする。
暫く背中を睨み付けていた母さんが…そこに向かって歩き始めた。
翔「………マジかよ」
ボソリと呟き、母さんの後を追う兄さん。
俺も慌てて兄さんの後を追って行った。